次の四半世紀に向かって
Toward the next quarter century
2025年は、21世紀最初の四半世紀の最終年にあたります。区切りの年を迎えたLIFE2025のテーマを「次の四半世紀に向かって」といたしました。LIFEはこの四半世紀に発展しました3学会による連合大会です。ライフサポート学会は1985年にエル・エス・ティ学会として設立、エル・エス・ティ学会大会、ライフサポート学会大会を開催し、LIFE分野の研究を先導してきました。日本生活支援工学会は、2000年に設立し、2001年から日本生活支援工学会大会を開催しました。同じく2001年、日本機械学会では第1回福祉工学シンポジウムが開催されました。21世紀の最初の年に、高齢者や障がい者の生命・生活・人生を支援するために、3つの学会が動き始めました。2003年、まず日本生活支援工学会大会とライフサポート学会大会を連合大会として開催することになり、2004年には、連合大会と同じ会場で福祉工学シンポジウムが並列開催されるようになりました。わずか4年で、LIFEにつながる枠組みができあがりました。そして、2010年、3学会が発起人となり福祉工学協議会が設立され、1つの会場、1つの受付、1つのホームページで連合大会が開催されました。2012年からはLIFEという大会名が定着し、各学会の特長を生かした連合大会が運営されています。
言うまでもなく、この四半世紀の技術の進展には目を見張るものがあります。特にICT(情報通信技術)、ロボティクス技術、AI(人工知能)の発展はめざましく、LIFE分野への応用が進んでいます。新しい技術ばかり注目されがちですが、LIFEでは、研究開発・技術開発に携わる方々に加え、医療・福祉現場の専門職の方々、企業などの産業界の方々、医療・福祉行政の方々、高齢者・障がい者の当事者の方々など、多くの参加者がそれぞれの立場から意見交換を行ってきました。このようなLIFEの特長は、次の四半世紀も続けていきたいと考えています。
一方でこの四半世紀は、地震や異常気象などによる度重なる自然災害、未曾有の感染症に見舞われた四半世紀でもありました。残念ながら世界各地の紛争は絶えず、生活に及ぼす影響も非常に大きくなっています。次の四半世紀では、自然災害などにどのように備えるか、自然災害などが起きた場合にはどのように対応するか、支援をさらに進めていく必要があると思います。
これまでの四半世紀、LIFEを支えていただいた先生方に感謝するとともに、LIFE2025が次の四半世紀に向かって活発な議論や意見交換の場となることを期待しております。
一般社団法人 日本生活支援工学会(幹事学会)
第24回日本生活支援工学会大会 大会長 神奈川工科大学 松田 康広